平成アニソン十傑



1:『CHA-LA HEAD-CHA-LA』



ジャパニメーションの代表格である『ドラゴンボールZ』の主題歌として、世界共通名刺とすら言える世界一有名なアニソン。十傑入りは当然、理由は明白である。


2:『ムーンライト伝説』



女子向けアニメの金字塔『美少女戦士セーラームーン』の主題歌で、放送時は男子でも歌えた超有名曲です。イントロのドラマティックな感じとか、この作品の為に作られたとしか思えないのに、よくよく調べると色々と複雑な背景があるのが玉に瑕。でもやっぱり、『美少女戦士セーラームーン』と『ムーンライト伝説』は互いが互いを高め合う理想的な関係である事に異論がある人は少ないと思います。ちな水星派。


3:『残酷な天使のテーゼ』



これこそ説明不要でしょう。異論があるなら是非とも訊いてみたいです。


4:『Give a reason』



『スレイヤーズNEXT』の主題歌で、今回のラインナップでは一番知名度が低そうですが、アニソンの歴史を語る上でこれは外せないと思いますし、今回一番私が玄人ズラをしたいが為に選んだ曲です。


「ラノベ」という言葉が浸透する以前のジュブナイル作品でも、アニメになるという事例自体はそれ以前にもOVAで『銀河英雄伝説』や『ロードス島戦記』等はありましたが、「ライトノベル作品がTVアニメになる」という現代まで続く一つの大きな流れの出発点は間違いなく『スレイヤーズ』です。また、『機動戦士Zガンダム』のような続編としてではなく、当時「2期」という概念がほぼ無い時代に『スレイヤーズNEXT』というタイトルで2期目が制作された事は、アニメの歴史の中で評価されてしかるべきだと思います。


同時に、林原めぐみが歌っているのもポイント。「林原めぐみが主演(or主要キャスト)で主題歌も歌う」という90年代キングレコード黄金パターンは、アニメ史及びアニソン史を語る上で外せない重要事項です。それまでも、主演声優が主題歌を歌うという事例はありましたが(例:草尾毅)、声優がキャラソンを歌うという従来の流れを脱し、この曲でオリコンTOP10入りをして、ただのアニソンに留まらないアーティスティックな面を前提とした曲を声優が歌うという流れをアニメ・声優業界に決定づけたのは、この時代に綾波レイとリナ・インバースでアニメ・声優界の頂点に君臨した林原めぐみだと思います。


椎名へきるも武道館埋めるような歌手活動はしてましたが、へきるはあくまで売れてはいても業界内ではマイナーメジャーの域を脱してはおらず、出演したアニメや声優としての格や地位を考えると、やはり業界の流れを決定付けたのは頂点に君臨した林原めぐみと言えると思います。自分で作詞しちゃう流れ含め、水樹奈々みたいな声優が居るのは間違いなく林原めぐみが居たからでしょう。


そんなワケで、この『Give a reason』を曲単体で考えるのではなく、この曲の存在が後の世に与えた影響を考えると、平成十傑に入れる資格は十分にあると思うのです。


5:『おどるポンポコリン』



『ちびまる子ちゃん』の主題歌ですが、アニメソングでありながらアニメソングの枠を超えた一つの確固たる世界を持っている感のある曲で、ある意味『タッチ』と似ているのかもしれません。ただ、その超常的な存在感は、原作の持つ人を喰ったようなナンセンスさと妙に相性が良い気がするのです。何にせよ、平成を代表するアニメソングと言って何ら憚られる事無い超有名曲。


6:『檄!帝国華撃団』



厳密に言えば「ゲームソング」になりますが、私の考えだと「アニソンとして評価して良いゲームソング」は存在していて、アニメ的な要素を内包する作品「アニメ的な感覚が前提として作品の根幹に存在するゲーム作品」の曲は、アニメソングに含んでも良いと思います。『サクラ大戦』や後述する『AIR』は実際TVアニメにもなってますし、昭和と平成の大きな違いは、ゲームの曲がアニソンの領域(ルビ:レイヤー)に入って来る点だと思うのです。


何より、『檄!帝国華撃団』が、作品の世界観を広げ、作品と曲が互いの魅力を高め合っている超名曲なのは間違いないのだから、アニソン十傑に入れたっていいでしょう。レトロであるが故に時代が経っても色褪せないアニソンの教科書に載せたい一曲。泣く泣く選外になった『キングゲイナー・オーバー!』を含め、田中公平は偉大也。


7:『鳥の詩』



昭和から平成になって出来たジャンルはゲーム原作にラノベ原作に最近だとスマホ原作等々ありますが、PCゲーム原作、というかエロゲ原作アニメというジャンルもまた一つの大きなカテゴリーです。


そんなエロゲソングでも、『AIR』の主題歌として作品共々最上級の知名度を誇り、冗談半分に「国歌」とさえ呼ばれる『鳥の詩』ですが、アニソンとして考えても、作品の持つ永遠の夏の青空をイメージ出来る実に実に味わい深い名曲だと思うので、平成十傑に入れる評価をするに値すると思う次第であります。


8:『DANZEN!ふたりはプリキュア』



『魔法使いサリー』を始祖とする「変身ヒロインアニメ」というジャンルで10年以上続くシリーズとなった日本アニメ史に燦然と輝く偉大なる『プリキュアシリーズ』の初代『ふたりはプリキュア』の主題歌で、歌詞と楽曲のアグレッシブさも相まって「戦うヒロイン」というコンセプトを一番ストレートに表現した曲だと思います。


NHKの全プリキュア大投票で15年以上前の曲にも関わらず1位になりましたし、ガンダムと違って「プリキュアと言えばコレ!」と誰に対しても迷いなく言える曲でしょう。合いの手を入れるのはヲタクの必須科目です。


9:『God knows...』



平成アニメ史を語る上で外せない「ラノベアニメ」の一つの頂点であり(ラノベブームの中心でもある)、「京アニ神話」の根幹を成す『涼宮ハルヒ』の代表曲。厳密に言えばOPでもEDでも無い劇中歌なんですが、『涼宮ハルヒ』を代表する曲と言えば、演奏シーンを含めて間違いなくコレでしょう。キョンからハルヒへの想いを歌った、アニソン史に輝くツンデレソング。


10:『紅蓮の弓矢』



こちらもまた説明不要レベルの超有名曲で、カラオケでTV版のOP映像に歌詞が表示されないヘンテコ仕様にも関わらず1位を取るという意味不明の快挙を達成した事でもお馴染みです。

作品の内容を色濃く反映した歌詞や、主人公の名前をサビで絶叫する等、古くて新しい由緒正しい正統派アニメソングです。作品も大ヒットし、紅白に出た点も考えて、平成十傑に入る資格十分でしょう。


以上、昭和と平成のアニソン十傑でした。選んだ曲を見返えすと、今でも通用するオリジナリティと、以後の作品に大きな影響を与えたエポックメイキング的存在である事を自分は重要視しているなぁと思う次第。まぁ、個人的ベスト10やるだけじゃヲタクの自尊心は満たされないから、こういう変に拗らせたアカデミックなマネをしたがってしまうのです。


この十傑を読んで「いやこれは違う」「こっちの方が相応しい」等の意見は皆様あると思いますが、その場合は是非ともご意見いただければ幸いです。簡単にラインナップを譲る気はありませんが。


前フリはこちら。  昭和十傑はこちら。

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